産業医になるメリットとデメリット

産業医への転職を考えるにあたり、メリットやデメリットについて、正確に把握しておくことは大切です。
転職にあたり、多くの場合はメリットにばかり意識が向きがちで、デメリットの部分に関しては計算に入れていないということも少なくありません。
そこで、今回は産業医になる場合のメリット、デメリットについて少し内容をまとめてみました。

メリット① 産業医はワークライフバランスを保ちやすい


産業医としての働き方を目指す方の多くは、恐らくこのメリットに関する意識が強いのではないでしょうか。
昨今、医師の多くは「ワークライフバランスを調整したい」と考えており、労働環境の厳しい職場よりも、仕事はほどほどに、プライベートな時間を大切にしたいという意識が高まっています。
そのような観点から見れば、産業医という働き方は実に魅力的であることは間違いないでしょう。

嘱託産業医であれば、1ヵ所との契約につき、月に1回程度の短時間労働となりますし、専属産業医であったとしても、基本的には時間外労働そのものも少なく、一般的な勤務医のような呼び出しなどもありません。
休日などの調整も行いやすく、プライベートが充実していくことは確かです。
ワークライフバランスを整えたいと考える医師にとって、産業医という働き方はもっとも適しているものと言えます。



メリット② 産業医は健康な状態の人を見るので、精神的に楽


一般の勤務医などと比較して、産業医の違う点を挙げるとすれば、産業医は健康な状態の人をみているという点で全く違う働き方をしていると言えます。
健康診断やストレスチェックなど、主に病気予防を中心とした役割を担っていますので、精神的に負担となるような場面が少なく、気持ちの面でゆとりを持つことができます。
どうしても、病気の方を相手にしていると気持ち的にも疲れてしまうことが多いものですが、そういった点ではご自身のメンタルにも影響があまり出ないため、落ち着いた労働環境であると言えるでしょう。

医師にはなったものの、対人関係による強いストレスにはあまり晒されたくないと考える医師もいらっしゃいます。
そのような方には大きなメリットがある職種です



デメリット① 開業医などと比べると産業医は年収が下がる


上記2点のメリットは、求めている方にとっては極めて魅力的に映るものと思われますが、その一方では少なからずデメリットと呼べる部分もあります。
その1つ目としてお伝えしたいのは、年収が低下してしまう可能性があるということ。
もちろん、これは産業医としての働き方やご自身のスキル等によって大幅に状況が変わってしまうため、一概にまとめられるものではないのですが、少なくとも開業医などと比較した場合には産業医の方が年収の低下する可能性は高いでしょう。
特に嘱託産業医であれば、その他にも実入りの良い仕事と並行しなければ、厳しい状況となることは間違いありません。
専属産業医として働く場合は、少なくとも通常の勤務医と同様、あるいはそれ以上の収入が見込める可能性もあります。

デメリット① 産業医は法的なリスクを背負わなければならない


産業医には一般の勤務医と違い、法的なリスクがないのでは?と考える方も多いと思いますが、実際にはそんなことはありません。
ストレスチェック制度も義務化されている今、産業医としては実施する責任なども、病気予防などの名目で従業員の方の健康チェックを行うこととなりますが、場合によっては損害賠償などを請求されることもあるのです。

実際に、過去の判例では大阪の財団法人において実際に産業医が損害賠償を請求されたケースもあります。
特に精神疾患に関する部分では、治療機会を遅らせてしまう、あるいは失わせてしまうことも起こりえます。

そういった場合に、事業者と共に連帯責任を負わなければいけないこともあるのです。
産業医は大丈夫だろうと安易に考えず、医師として働く以上はどのような働き方をしても、このような法的リスクが存在しているという事実は意識しておいた方がいいでしょう。